実際に変数を利用したプログラムを見てみましょう。次のプログラムは、単純に「aとbを足し算して、計算結果をprintfで画面に表示させる」プログラムです。
次から、このプログラムの説明をしていきます。
※3章からは、説明に使ったプログラムも実際に作っていって下さい。自分で作ってみて、うまく行くか確認してみると理解しやすいと思います。
<整数型変数の宣言>
5行目は変数宣言です。
は、「int型の変数、a、b、sumをこれから使用する」ということを宣言するものです。int型の変数とは、「整数」専用の変数ということです。
また「変数を宣言する」とは、こういう変数を使うので準備してくれとコンパイラに知らせるのです。それによって、コンパイラは3つの整数の値を収納する場所を設定し、それぞれが、a、b、sumという名前で使えるように準備してくれます。Cでは、あらかじめ宣言してからでないと変数を使うことができないことに注意してください。
注意事項として、「変数型(ここではint)」と「変数名(ここではa)」の間に、空白(スペース)を必ず入れる必要があります。(もちろん、空白も半角です。)
変数は1つの文でまとめて宣言できますし、
int a;int b,sum;
のように、個別に宣言してもかまいません。
※ このプログラムでは、整数を扱う場合の宣言(int型)を使っていますが、変数のデータが実数(浮動小数点数)の場合、それはint型ではない別の型名(float型)で、変数宣言をします。
データの種類 型指定 宣言例 整数 int
int data;
実数 float
float data;
<値の代入>
宣言した変数に値を代入するには、
のようにします。
これは、数学では左辺と右辺が等しいことを意味しますが、プログラミングの世界では、「右辺の値を左辺に代入する」という意味になります。つまり、
a ← 10
という感じです。
また、
とすると、
a ← a+100
という意味になり、「aに100を加えたものを新しいaとする」という処理が行なえます。(6章の繰り返しのプログラムでも使用します。)
<加減乗除>
ここで、加減乗除の計算方法について説明します。Cプログラムでは加減乗除を行うには、以下の記号を用います。
演算子 機能 + 加算 − 減算 * 乗算 / 除算 */は、+-よりも先に計算されます。()があると、その中が先に計算されます。
また、算術対象が整数の場合、割算の結果は小数点以下切り捨てになるので、int型の変数では小数点以下まで求めることができません。(ただし、お金の計算などを扱うプログラムでは、小数点以下が切り捨てになるように、わざとint型を使用したりします。)
プログラムの説明は次ページに続きます。